心と魂の違い:インド哲学的に解説してみました

バガヴァッド・ギータ(Bhagavad Gita)と呼ばれるインドの書物をご存知ですか?

今回は、バガヴァッド・ギータを元に「心」と「魂」の違いについて触れてみようと思います。


本題に入る前に、バガヴァッド・ギータについて軽く触れておきますね。

バガヴァッド・ギータとは?

バガヴァッド・ギータは、古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」の一部で、約2000年前に書かれた哲学書です。

人生の意味、義務、そして精神的な真理について書かれているのですが、2000年前の書物とは思えないほど、現代人の私たちにも当てはまるメッセージがいっぱい。

インドでも根強い人気!!

経済的な成功を収めた人たちのバイブルにもなっています。

囚われの原因はどこからくる?

さて、本題の心と魂についてはここから。

私たちは日々、

様々な思考や感情に囚われています。

この囚われの原因は、

今日のテーマである

「心」、それとも「魂」の

いずれかが原因ですが、

どちらか分かりますか?

答えは、、、「心」が囚われの原因を作ります。

実は私たちは、

ほとんどの場合、

真実を見ていません。

「心」が真実だと決めたもの

私たちは見ています。


心と魂の違い

バガヴァッド・ギータでは、

(というかインド哲学では、)

心と魂は別のものです。

ものすごく簡単に言うと、次のようになります。

  • 心(マナス)=潜在意識の一部とされ、変化し得るものです。

  • 魂(アートマン)=不変で永遠のもの。


とても重要なので、もう少し詳しく説明しますね。

「心=潜在意識」が担う部分

私が「嬉しい」「嫌だ」などの感情を感じる時には、意識の表層下にある「潜在意識」から湧き上がってくる感覚を拾っているのです。

潜在意識は、私たちの思考や行動に大きな影響を与えています。

過去の経験、学んだこと、刷り込まれた価値観など、すべてがこの潜在意識の中に蓄積されています。

でもね、この「潜在意識」って、私たちの本当の姿ではないんですよ。

魂が担う部分

魂(アートマン)は、潜在意識よりもさらに深い次元に存在します。

バガヴァッド・ギータでは、こう語られています。

「魂は生まれることも死ぬこともない。それは決して生成されたものではなく、生成されることもない。それは生まれることのない永遠のもの、常住にして古くから存在するもの。肉体が滅びても、魂は滅びることがない。」
— For the soul there is neither birth nor death at any time. He has not come into being, does not come into being, and will not come into being. He is unborn, eternal, ever-existing and primeval. He is not slain when the body is slain. by Bhagavad Gita 2.20

この視点に立つと、私たちの本質は、変化する「潜在意識」ではなく、永遠不滅の「魂」にあるということになります。

魂が自分の本質だとしたら、潜在意識の役割は何なのでしょうか?


潜在意識が大切な理由

バガヴァッド・ギータの教えでは、潜在意識は、魂の真の性質を覆い隠す「無知(アヴィディヤ)」の一部とみなされています。

潜在意識を浄化することは、真の自己である魂を認識するためなのです。

この過程は、自己実現(モークシャ)への道のりそのものなんですよ。

「夢を叶える」「自己実現」「願望実現」などの類の書籍はものすごく多いですが、結局やるべきことは、潜在意識に蓄積された癖(サンスクリット語でサムスカーラ)や傾向(ヴァーサナ)を理解し、それらを手放すことなのです。

潜在意識の探求は、

変化し得る心の領域を超えて、

魂の本質へと至る道筋なのです。

結婚、仕事、死別、病気や怪我などで、

無数の選択肢の中から一つを選ぶ機会がありますね。

刹那的な心の働きでその道を選択するのか、

それとも、

魂の声をしっかりと汲み取った上で選択するのか、

あなたはどちらの道を選びますか?

自分の魂の声を汲み取った選択がしたい場合は原因解明セッションでお待ちしております。

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