お金と潜在意識:成功はお金で証明できるのか?
最近のSNSでよく見かける投稿について考えさせられることがあります。
「潜在意識を変えたらお金が急に入ってきた」といって札束を抱えている写真、
「意識を書き換えたら月収1300万円になった」などの投稿です。
確かに、物質的な豊かさは人生を潤してくれますし、
そのようなことは、潜在意識を変えただけで、本当に起きます。
実際に私のセッションを受けてくださった方でも収入が数倍に膨らむ実績アリ!
でもそれはその人たちの最終ゴールとして手に入れたものではありません。
お金がたくさん入った、という事実は十分あり得ることですが、
そういうことを「人生の目的の一部」として手に入れた人は、
そういう投稿はしないんじゃないかと思い始めたのです。
人生の目的はもっと深いところにある
よく「お金はエネルギー」と言いますが、本当にそうでしょうか?
そして、そのような物質的な富を得ることが、
私たちの人生の最終目標なのでしょうか?
インドの聖典、バガヴァッド・ギータの教えからすると、
私たちの人生の目的はお金で解決できる部分に留まらず、
もっと深いところにあると考えます。
バガヴァッド・ギータには、こんな引用があります。
「カルマ(行為)に対する権利のみを持ち、その結果に対する権利は決して持たない」(第2章 第47節)
これは、
私たちは行動することに集中すべきであり、
その結果(お金や名声など)に執着すべきではないということを示しています。
真の充足は、
自分の「ダルマ」(義務・天命)を果たすことから来るのです。
自然な欲求と過剰な欲の違い
このような書き方をすると、
望むことは悪いこののように聞こえるかもしれません。
でも、そんなことはありません^^
バガヴァッド・ギータは、
私たちの持つ自然な欲求(食欲、性欲、睡眠欲)
そのものを否定していません。
これらは生きる上で必要なものであり、
私たちの身体に備わった自然な機能です。
問題なのは、これらの欲求を過度に抑圧したり、
逆に過剰に追求したりすることです。
過剰な欲と縁を切ると魂に沿った生き方に近づく
自分の魂に沿った生き方をするためには、
自分に嘘をついてはいけません。
バガヴァッド・ギータは
「過剰な欲(ローバと言います)」
からの解放を説いています。
過剰な欲とは、
単なる生存のための欲求ではなく、
際限なく増え続ける執着と渇望です。
この「欲」こそが、私たちの心を曇らせ、
真の自己を見失わせる原因となります。
札束を抱えた投稿をしている人たちは
他のビジネスとの差別化が目的だったり、
「羨ましいな」「すごいな」などと称賛されるなどの
目的があるのだと思います。
でも、札束を抱えたり、
こんなに収入があります!と誇示することが
あなたの全てになってしまっては、
あなたがここで生きる意味を失ってしまうのではないでしょうか。
物質的成功そのものは悪いことではありませんが、
それに執着することは、
あなたから豊かさを奪うことになりかねません。
本当の豊かさとは
バガヴァッド・ギータによれば、真の豊かさとは:
自己実現 - 自分の本質を理解し、それに従って生きること
カルマヨガ - 結果に執着せず、義務を果たすこと
バクティ(愛と献身) - 高次の存在や他者への奉仕
平静な心 - 成功と失敗、喜びと悲しみに動じない心の状態
この4つです。
お金でもなく、地位や名声でもなく、
むしろ愛とか心のバランスが大切だと言っているのです。
きれいごとに聞こえますか?
もしそうであれば、あなたの潜在意識の中にある
思考がそうさせているのですよ^^
あなたが進むべき道はどこにあるのか?
本当に豊かな生活を送っている人は、
わざわざそれを誇示する必要がありません。
毎回5つ星ホテルに泊まっている人がいちいち写真を投稿しないように、
真の豊かさを手に入れた人は、それを誇示する必要がないのです。
欲だけに従って生きることも、
欲を完全に否定することも、
バランスを欠いた生き方です。
お金だけに意識を向けることは、
かえって疲れる生き方になるのではないでしょうか?
バガヴァッド・ギータは、
物質的な成功に執着することではなく、
精神的な成長と内なる平和を追求することの重要性を教えています。
そしてこの教えは、5000年以上前に書かれているのです。
あなたの役割とは
私たちの役割は、
物質的な豊かさを追求することではなく、
自分のダルマ(義務・天命)を見つけ、
それを果たすことです。
お金は生活の手段であり、
あなたの人生を差別化するための必要道具ではありません。
潜在意識をお金という欲のためだけに使うのではなく、
より高い目的、より深い理解、
そしてより大きな愛のために使いましょう。
欲から解放された心は穏やかになり、
そういう人があなたの周りに現れますよ!
by Jessica Kato 加藤ジェシカ